こんにちは。逆転のWEBコンサル・アフロです。
今日はコンサル転職検討者にとって気になる「コンサルのキャリアやその後の転職先」について解説します。
コンサルティング業界に入った人間が、定年までずっとファームで働くというケースは極めて珍しく、99%が次のステップに進みます。
そこで本記事では、コンサルタントの「コンサル後のキャリア」はどんなパターンが多いのか、具体例とともに紹介します。
目次
そもそもなぜファームを去るのか?

「Up or Out」のイメージが強いコンサルですが、実際にはクビは少なく、ほとんどの退職は自主退職です。
自主退職の事情は様々ですし、複数の要因が絡み合います。
もちろんコンサルとして身につけたや経歴・実績・スキルを武器に転職や独立をするわけですが、
「これ以上がんばっても出世できない」
「上のポストが詰まっている」
「この仕事をずっとやるのは体力や家庭の面で厳しい」
といった事情や理由も大なり小なりあります。
みんながみんな、
「順調に出世していてコンサルとして充実した日々を過ごしているが、どうしてもやりたいことがあって転職や企業をする」
というわけではないのです。
もちろん100%ネガティブな転職というわけでもありません。
ポジティブな理由とネガティブの事情のグラデーションの中で、みんな次のキャリアに進んでいきます。
コンサルの次のキャリアの一覧とその割合

あくまで私見ですが、自分の元同僚やファームに勤めていた友人たちの動きをみていると、以下の一覧と割合のイメージです。
- コンサル to コンサル:30%
- 外資系事業会社:20%
- 日系事業会社:20%
- コンサルとして独立:10%
- スタートアップ起業:10%
- スタートアップ参画:7%
- PEファンド・VC:3%
それぞれ詳しく説明していきます。
コンサル to コンサル

上位ファームほどコンサル内転職は減り、起業の割合が高くなっていると思います。
上位から下に行くというキャリアは、仕事の内容は変わらず、給与・案件・メンバーのレベルが下がるだけで、経歴も明らかなステップダウンになるからです。
そのため、コンサル内転職は以下のパターンが多いです。
上位ファームへの転職
売りになる経験や明確な専門性があれば、上位ブランドファームへの転職も難しくありません。
例えば、私の友人は、
「Sier→日系ITコンサル→外資系総合コンサル」
というキャリアを歩んでいます。
最近はDX案件が多く、ITやデジタルに強い人材を上位ファームも採用したがる傾向にあります。
自分が担当したいテーマが多いファームへの転職
例えば、BCGデジタルのようにコンサルティングテーマとして新しいものを中心に扱うチームがある場合、別のコンサルティングファームからの移動が目立ちます。
ワークライフバランスを重視した転職
コンサルティングというビジネスモデルは同じですが、ファーム間でワークライフバランスはやや異なります。
ローランドベルガーのような、中心顧客が製造業のようなファームは労働時間がきつめです。
サプライチェーンが長く、組織・人員・取引先の種類が多いため、コンサルティング対象としては非常にハードだからです。単純に事業や組織の変革が大変な業種なのです。
一方で、製造業は金払いの良い製薬などと異なり、一世一代のプロジェクトを依頼するという使い方になります。
フィーも限られているため、人数も時間も限られた中で大きなイシューを解決しなければなりません。
そのため、体力的に厳しく、「このまま働き続けるのはキツイ」と判断して別のファームに移る人は多いです。
コンサル内転職の傾向まとめ
マッキンゼー、BCG、ベイン、ATカーニーなどの上位ファームではコンサル内転職はかなり少なく、総合ファームでこの割合がかなり大きくなります。
逆に上位ファームでは、事業会社への転職や起業といったキャリアが増えていきます。
外資系の事業会社へ転職

「年収をあまり落としたくない」
「日系のカルチャーには合わなそうだ」
「でももうハードワークはつらい」
というコンサルタントが転職先として選ぶのが外資系事業会社です。
業種は広く、IT・製薬・メーカーなどが多いですが、やっぱり最近は、Google・Amazon・Salesforceなどの大手外資ITに転職する人が多いですね。
待遇や福利厚生もよく、コンサルや金融と比較すると労働時間はかなり少ないです。
- コンサルや金融ほど評価や競争は厳しくない
- でも適度に出世競争がある
- 毎日7時帰りで年収1200万円みたいな待遇
- 会社のネームバリューもあって世間体はいい
といったところが魅力です。
唯一のデメリットは、外資の日本法人は、日系企業でいう地方支店のようなものであるという点です。
ビジネスのコアバリューに関する部分には携われず、本社の指示にしたがってオペレーションをまわすだけの状態に、物足りなさを感じる部分はあると思います。
日系事業会社への転職

「もう長時間労働・厳しい環境・激しい競争からは離れ、落ち着いて仕事をしたい」
というコンサルタントが転職するのが日系事業会社です。
ただ希望者は非常に多いのですが、難しいのが受給のバランスです。
コンサルタントが転職したい28歳〜35歳だと、日系の事業会社ではマネジメントポジションとして迎え入れるのが難しいです。
年功序列の文化もまだまだありますし、メンバーのモチベーションが下がるという問題もあります。
そのため、楽天・ソフトバンク・Yahoo!などのIT系企業や、ファーストリテイリングなどの実力主義の企業に転職するケースが非常に多いです。
コンサルとして独立

あまり語られないですが、コンサルとしての独立は意外に多いです。
途中紹介した通り、コンサル後のキャリアとして5〜10%ぐらいでしょうか。
仕事さえ取れれば、年収自体も上がりますし税金の効果で手取りも向上するので、かなり生活に余裕がある感覚になると思います。
最近コンサルとして独立するキャリアが増えてきたのは、フリーコンサル向けの案件紹介エージェントが確立されてきたからです。
仮に自分で営業して案件が獲得できない、そういう時期があったとしても、エージェントの紹介案件を引き受ければ一定以上の収入が保証されます。
フィーの相場も、フル稼働するなら月単価で100万円〜150万円となっており、なんら生活に問題はありません。
むしろ、独立すると家賃の一部や交際費など経費計上できるものが多く、同じ額面でも感覚的に手取り20%UPくらいはあると思います。
また、自分で営業して案件を獲得できるのであれば、月収200万円以上も十分可能でしょう。
スタートアップを起業

近年のブームや資金調達環境の向上を受けて、スタートアップを起業するコンサルタントも増えてきました。
ただ、こちらも様々なパターンがあります。
フリーコンサルとして案件を受託してキャッシュフローをまわしながら自分のサービスを作る場合もいれば、最初からフルコミットで自分のサービス開発に取り組むパターンもあります。
サービスの開発や拡大がうまくいかなくても、最悪フリーのコンサルの受託でキャッシュを確保できるのは、コンサルからの企業の強みです。
また、昔は「コンサルは起業してもうまくいかない」と揶揄されましたが、今は違います。
様々なノウハウが普及したこともあり、コンサル出身者のスタートアップの成功確率は高くなっています。
むしろ、元々超優秀な人たちなので、普通の人の起業よりも成功確率は高いのではないでしょうか。
ただ、それでも上場や売却によって億万長者となるレベルの成功は5%程度のイメージです。
70%ぐらいは、「年収800〜1500万円ぐらいで労働時間をコントロールしながら事業をまわしている」という印象です。
スタートアップに参画

最近はコンサルからスタートアップに参画する例もかなり多いです。
大学や会社の同期、偶然知り合った知人の会社に参画するケースをよく見かけます。
ただ、私はこれには否定的です。
なぜなら、スタートアップで時価総額100億円クラスの特大の成功をおさめたとしても、10億円以上の資産を作れるのはほとんどの場合、創業社長だけです。
No.2やNo.3ですら数パーセントしか株式を持っておらず、1億円を超えれば大大大成功なのです。
もちろん、そんな特大の成功を実現する確率は非常に厳しいです。
スタートアップも資金調達環境が良くなり、転職市場で提示する給与も上がってきましたが、それでも年収500〜800万円です。
そして創業メンバー以外の幹部クラスだと、IPOができたとしてもストックオプションの価値はせいぜい2,000-3,000万円です。
もちろん成功しないケースの方が圧倒的に多いです。
スタートアップへの転職は、リスクとリターンを天秤にかけると、外資コンサルのキャリアを捨てるほどの魅力はありません。
ただし、数ある仕事の中でスタートアップ職場は大変魅力的なものです。
また、自分が実際に起業する前にスタートアップに参画するのは、良い経験と人脈を得る場にもなります。
特に元コンサルが起業するとなると、エンジニアを探すときに苦戦する傾向があります。
ただ、スタートアップは玉石混交です。
創業者と深い交友関係がない場合は、サービス内容・成長性・経営陣のレベルなどをしっかりと見極めるようにしましょう。
PEファンド・VCへの転職

需要が少ないため数としては多くありませんが、
コンサル後のキャリアとしてPEファンドへの転職は華型で人気があります。
具体的には
- ユニゾンキャピタル
- アドバンテッジパートナーズ
- KKRキャップストーン
- カーライル
- ベインキャピタル
などです。
比較的少ない労働時間、最高の年収、株主として能動的に経営に関与できる、ステータスも高いという、サラリーマンとして最高峰のキャリアです。
投資先の役員ポジションに就くケースも多い。
大手PEにはチームのプロフィールが掲載されているため、どのような経歴かを詳細に把握することができます。
ただ、上位PEは採用枠が少なく、シニアのポジションもつまっており、入社や出世が難しいです。
だから最近は、PE(プライベートエクイティファンド)よりもVC(ベンチャーキャピタル)への転職が多いですね。
給与はPEと比較すると高くないですし、アップサイドもあまりないのですが、ベンチャーに関与するという点で満足度の高い職業です。
まとめ

「コンサルは専門性がない」と批判されがちで、たしかにそれは事実ですが、一方で汎用的なスキルは最強レベルです。
そのため、その後のキャリアは幅広く、魅力的な選択肢が多いと私は感じます。
将来のキャリアを広げるという意味でも、コンサルティングファームを目指すのは大変オススメです。
コンサルへの転職を目指す上でオススメのエージェントやサービスも、以下の記事で紹介しているので、ぜひ読んでください。