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正しい会社の辞め方とは?退職代行を使われた会社の社長と議論して出た答え

アフロ
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だって、労働者が会社を自由に辞める権利は法律で保証されてるじゃないですか!
社長
社長
うるせー!!!おれがルールだ!

おつかれさまです。アフロです。

先日、私が独立してから一番発注をもらっているクライアントの社長と、「正しい会社の辞め方」の話になりました。

きっかけは、その会社の社員が「退職代行」を使い、ある日突然会社を辞めたという愚痴を社長が話し始めたからでした。

話を聞いてみるとどうやら、

「ちゃんと自分で直接会社に退職することを伝えるべきだ」

「世話になった会社や職場に迷惑がかからないような辞め方をすべきだ」

「こんな風に突然辞められるような時代では、社員に仕事を任せられない」

というのが社長の言い分でした。

またその流れで、私が以前の記事で、

「どうしても辞めたければ今は退職代行というサービスもある」

という形で退職代行を紹介していたのもどうかと思うと言われました。

大口顧客なので聞き流せばよかったのですが、どうしても流せず、私の心の中のキムタクが発動してしまいまして。

「ちょ、待てよ」

「正しい辞め方ってそもそも何だよ」

と思って、つい物申してしまいました。

※実際は「お気持ちもわかりますが、世の中のルールと流れ的にはですね・・・」とめちゃくちゃペコペコしています。

これはすごく大事なことだと思ったので、社長から許可を得た上で、「当日の話の内容」と「正しい会社の辞め方」に対する私の考えをお伝えします。

※この記事の感想をご自身のブログで書いてくれた方は、私のTwitterアカウントで拡散させて頂きます。TwitterのDMでご連絡ください。

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アフロ
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マーケティング領域のインフルエンサー / フォロワー数7000人 / 起業&事業売却 / WEBコンサルティング会社、介護会社、オンラインサロンを運営 / 3児の父

退職代行を社員に使われたらどうなるの?

退職代行

社長いわく、「あれ?今日、◯◯(辞めた社員の名前)来てないな」と思っていたら、突然会社のコーポレートサイトの問い合わせフォームから、以下のメッセージが来たそうです。

株式会社●●
人事担当者様

お世話になっております。
株式会社ワンの▲▲と申します。

弊社は退職代行業を事業として行っている会社です。
https://taisyokudaikou.com/

御社でお勤めされております、〇〇様から弊社に退職の代行の依頼がありましたので、本人に代わって退職の告知をさせて頂きます。

〜〜 中略 〜〜

勤務日数分の給与の振込、離職票と源泉徴収票の発行の依頼については、別途ご連絡させて頂きます。

お手数をお掛けしますが、ご確認の程よろしくお願い致します。

そしてこの日からその社員さんは来なくなり、FacebookやChatworkもブロックされ、一切連絡がとれなくなったそうです。

彼がメイン担当になっていた案件には納期間近のものもあったせいで、社員と他のメンバーは連日深夜まで対応が続き、

社長は彼の退職の仕方に大きく憤りを感じたようです。

「重要な案件を任せていたのに一方的に退職するとは何事か!」

「もっと言うなら、3ヶ月〜6ヶ月の十分な引き継ぎ期間を設け、お世話になった会社と仲間への仁義を通すべきだ!」

上記の社長の意見は、私も小さいとはいえ会社を経営する身ですから、よくわかります。

ただ一方で、学生時代から起業しているこの社長と違い、会社員生活の方が長い私としては、それは会社側の勝手な主張だと思うのです。

会社員が辞める権利は法律で保護されている

辞める権利

まず、憲法では「職業選択の自由」が保証されています。

そのため、労働者は理由の如何にかかわらず、原則は自由に会社を辞めることができます。

じゃあ、即日辞めるのが許されるのかどうかですが、これは原則的には許されません。

民法第627条で、正社員(無期雇用労働者)については2週間前に伝えれば良いという決まりがあります。

ただ、有給休暇が2週間以上残っていれば、退職を申し入れたその日から可能になります。

また、そうでなくでも会社と協議・交渉して合意すれば、即時退職も可能です。

そのため、弁護士や労働組合がやっている退職代行サービスは、交渉を代行して即日退職を成立させることも法的に問題ありません。

※株式会社が退職代行の際に交渉も代行するのは非弁行為であり、法律違反になります。

このように、労働者の辞める権利は法律で保護されているため、会社や経営者がそれに文句を言うのはそもそも間違っているんです。

辞めた後の対処は会社の問題である

辞めた後

事業とは責任も利益も会社に帰属するもの

会社員に辞める権利が認められている以上、それを行使された後の対処は会社の問題です。

日本人は責任感が強いからか、辞めたいと思っていても「今私が辞めたら、お客さんや仲間に迷惑がかかる」と考える人がいます。

でも、それは会社が考えることであって、社員が考えることじゃないんです。

事業の存続責任はあくまで会社にあります。

だからこそ、事業の利益が大きく伸びた場合も、利益の大半は会社と株主のものになるわけですし(社員への還元は泣けるほど小さい)。

今回の話に出てくる社長は、月に5回ぐらいしか会社に出社しません。

社員が汗かいて働いてる間に、麻布に鮨屋をオープンしたり、海外に遊びに行ったりしてるわけですよ。

もちろん、社長はリスクをとって起業し、成功したからそれができるわけで、そういった資本主義の恩恵について否定するつもりはありませんが、

「その代わり、事業の存続責任も社長にあるよな」

「それで社員の退職に文句を言うのは間違ってるよな」

と、個人的にも思うわけです。

外資系企業は本当にドライだった

実際私が在籍していた外資系企業では、簡単に解雇されることもある代わりに、転職先が決まったらみんなすぐ有休消化期間に入り、会社に来なくなります。

普通に仲良かったのに、辞める時はもうびっくりするぐらいドライです。

引き継ぎなんてまともにしてもらえませんでした。

引き継がれる方はつらいですが、その代わり自分も辞める時はそれができるし、「会社とはそういうもの」だとみんな認識してるんですよね。

(まれにちゃんと引き継ぐ熱い人もいます)

これは少し極端な例ですが、企業と会社員の関係はそういうルールにあるのです。

会社側が社員の退職に備えてやるべきこと

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そこから、「じゃあ会社としてはどうするよ?」という話になったんですけど、正直ここが一番悩ましくて。

というのも、今の時代にある種いちばん報われない仕事が「社員の育成」です。

管理職を経験するとわかりますけど、いろんな仕事の中で「人を育てること」って最も効率化しづらくて、時間がかかるんです。

エネルギーと時間の消費がやばい。

それでも終身雇用の時代は、後から活躍して大きなリターンをもたらしてくれるから、投資として成立していました。

でも、退職や転職が当たり前になり、人材の流動性が高い今の時代は、時間とお金をかけて育てた頃に辞められるんですよ。

自分も転職回数が多く、育った頃に辞めた側なだけに社員の気持ちもわかる一方で、会社や管理職としてはやるせない時代です。

だから、企業としては、

  • 人員に余裕をもたせておくこと
  • 誰でも業務を回せるように仕組みを作ること
  • 業者やフリーランスに外注すること
  • 人材流出による減益を吸収できる財務体力を構築すること

に取り組むしかないんですけど、

「誰でも業務を回せるように仕組みを作る」
「業者やフリーランスに外注する」

は一歩間違うと、社員が創意工夫する余地がなくなり、仕事がつまんなくなるリスクがあります。

これについてはわりと前向きに社長と話したんですけど、

  • 既にできあがったビジネスはどんどん仕組み化・外注化する
  • 仕組みや新しいビジネスを作ることを正社員の仕事にする
  • そうやって社員にずっと働いてもらえる魅力的な会社にする

っていう方向性で経営するしかないよねって話になりました。

突然退職しても法律上は何の問題もないし、個人の権利だし、だったら会社としてはそうしていくしかないわけです。

正しい会社の辞め方とは何なのか?

会社,辞め方

ただ、会社員はどのように辞めようが自由だからと言って、必ずしも即日退職するのが正しいとは思いません。

私は、1社目を辞める時は「もう一切この人たちとは関わりたくない」と思っていたので、けっこう強引な辞め方をしました。

マネージャーに辞めたいと申し出たら激詰めされたので、信頼していた部長に直接かけあって、そこから3週間で辞めました。

もし当時に退職代行サービスがあったら、絶対使ってたと思います。

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こういう風にすると、「せっかく築いてきたつながりを失うぞ」とか散々言われるんですけど、それを大事にするかどうかも含めて個人の選択じゃないですか。

良い関係は残し、悪い関係は切り捨てながら、人間関係はアップデートしていくべき。

だからこそ、良い関係を築けた2社目と3社目の退職では、古巣・同僚・取引先とその後も良い関係を続けるため、十分な引き継ぎ期間を設けました。

特に3社目を離れる時は、会社への退職相談から1年かけて後任の採用と育成を行いました。

そうした甲斐もあって、当時の取引先から仕事を発注してもらえたり、昔の同僚と今も飲みに行って情報交換したりすることができています。

つまり、「会社の辞め方」は、会社との関係性を今後どうしていきたいかを社員が考えて決めるものなんです。

正しいとか間違っているとか別にない。

それゆえ、会社は社員と良い関係性を築く努力を日頃からすべきだし、それができない場合は即日退職されても仕方ないのではないでしょうか。

これが私なりに出した「正しい会社の辞め方とは?」というテーマに対する結論です。

ーーー

という議論をしたら、クライアントの社長にめちゃくちゃ怪訝な顔をされました。

あーこれで契約切られたらどうしよう。

毎月70万円の粗利が消える・・・。誰か仕事ください・・・。

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